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副首都法とは?いつ成立し、何が決まったのか

首都機能の一部を別の地域が代替する関係を、東京圏と副首都の二つの円で表した概念図

大規模な災害で東京の機能が損なわれたとき、その役割を一定期間、別の地域が代わりに担う——そのための仕組みを定めた法律が、2026年7月24日に成立しました。「副首都法」と呼ばれています。

正式な名称は、国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律です。議員が提出した法律案(衆法)で、衆議院では修正のうえ議決され、参議院では投票総数244のうち賛成123・反対121という2票差で可決されました。

ただし、この法律が実際に動き出す日は、まだ確定していません。 施行日は、公布から起算して三か月以内の範囲で政令によって定めることとされています(条文の定めは下の「法案の基本情報」に原文どおり載せています)。その政令は確認できていません。どこが副首都になるかも、法律には書かれていません。

このページでは、法律で何が決まり、何が決まっていないのかを、参議院の公式記録にもとづいて整理します。

副首都法の基本的事項

首都中枢機能代替地域が機能の一部を、副首都が全部または大部分を代替するという二段構えの関係を示した図
首都中枢機能代替地域が機能の一部を、副首都が全部または大部分を代替するという二段構えの関係を示した図

二段構えの仕組み

この法律は、大規模災害時に首都の機能を代替する枠組みを二段構えで定めています。

  • 首都中枢機能代替地域 — 大規模災害時に一定期間、首都中枢機能の一部を代替する機能を担う地域
  • 副首都 — 大規模災害時に一定期間、首都中枢機能の全部または大部分を代替する機能に加え、多極分散型経済圏の形成の中核となる機能を担う道府県

いずれも、東京圏と同時に被災する可能性が低いことを要件としています。同時に被災してしまえば代替の意味がなくなるためです。

誰が、どうやって決めるのか

副首都の指定は内閣総理大臣が行います。指定にあたっては、首都中枢機能代替地域であること、国の行政機構の立地状況、人口・経済の集積状況、必要な地方行政体制といった要件が定められ、そのいずれにも該当する地域を含む道府県が指定されます。

推進体制として、内閣総理大臣を本部長とする国家社会機能継続性確保施策・副首都整備推進本部が内閣に設置されます。政府は施策を総合的・計画的に進めるための基本方針を策定します。

何をめざす法律なのか

法律が掲げる基本理念には、人口と国家社会機能を分散して配置すること、首都中枢機能のバックアップ、災害時における地方公共団体や民間事業者の事業継続計画(BCP)の支援、情報通信技術などの先端的な技術を活用した多重性・代替性のある交通通信体系の整備が挙げられています。

首都中枢機能代替地域については、首都の機能を代替するうえで国の機関などに必要とされる機能の整備、官民のデータが円滑に流通するための基盤の整備といった施策が講じられます。

名称を「都」に変更する手続

あわせて、特別区を設ける道府県が副首都になった場合に、その名称を「都」に変更する手続を定めるため、大都市地域における特別区の設置に関する法律が改正されました。指定されれば自動的に名称が変わるという規定ではなく、変更の手続が定められたという内容です。

成立後も国会が関わる

政府は、副首都の整備に係る施策などの実施状況と、集中推進期間における実施状況の検証結果について、毎年、国会に報告しなければならないとされています。成立して終わりではなく、進み具合が国会で確認される仕組みになっています。

国会での議論の動向

2026年6月24日の提出から7月24日の成立までを、衆議院での修正議決と参議院での可決に分けて示した流れ図
2026年6月24日の提出から7月24日の成立までを、衆議院での修正議決と参議院での可決に分けて示した流れ図
  1. 衆議院

    議員発議により提出[1]

    提出者は簗和生君 外7名。衆議院が先に審議する「衆先議」の扱い

  2. 衆議院

    地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会に付託[1]

  3. 衆議院

    委員会・本会議ともに修正のうえ議決[1]

    採決態様は多数、採決方法は起立。同日、参議院が受領

  4. 参議院

    沖縄・北方問題及び地方に関する特別委員会に付託[1]

  5. 参議院

    委員会・本会議ともに可決し、成立[2]

    本会議は押しボタン採決。投票総数244、賛成123、反対121

  6. 両院

    第221回国会(特別会)が閉会*[3]

    時事通信は、この法律の成立を期すため政府・与党が会期を8日間延長したと報じた

賛否・論点の整理

当サイトはいずれの立場も取りません。採決の賛否は公式記録の会派別集計を、主張の内容は報道が伝えたものを、 それぞれ出典を示して並べています。議員個人の投票は 編集方針に記した理由により掲載していません(公式ページで確認できます)。

賛成の立場

  • 自由民主党・無所属の会・日本維新の会・チームみらい・無所属の会・各派に属しない議員の一部

    時事通信は、この法律が自由民主党と日本維新の会の連立政権合意で掲げられた政策であり、成立を期して政府・与党が会期を8日間延長したと報じました。*[3]

    会派別の賛否[2]
    会派所属賛成反対投票なし
    自由民主党・無所属の会 101 99 0 2
    日本維新の会 19 19 0 0
    チームみらい・無所属の会 2 2 0 0
    各派に属しない議員 6 3 2 1

反対の立場

  • 立憲民主・無所属・国民民主党・新緑風会・公明党・参政党・日本共産党・れいわ新選組・日本保守党・沖縄の風・社会民主党

    主張の内容は、当サイトが情報源としている媒体では確認できていません。確認できた時点で追記します。

    会派別の賛否[2]
    会派所属賛成反対投票なし
    立憲民主・無所属 40 0 40 0
    国民民主党・新緑風会 25 0 25 0
    公明党 21 0 21 0
    参政党 15 0 15 0
    日本共産党 7 0 7 0
    れいわ新選組 5 0 5 0
    日本保守党 2 0 2 0
    沖縄の風 2 0 2 0
    社会民主党 2 0 2 0

まだ決まっていないこと

決まっていないことを「未定」とだけ書くのではなく、何が、どういう理由で決まっていないのかを、 公式記録で確認できた範囲で示しています。

施行日政令待ち
法律には、公布日から起算して三箇月以内で政令で定める日から施行すると定められています。その政令は確認できていません。[1]
公布年月日と法律番号公表待ち
参議院の議案審議情報では、2026年7月24日時点で公布年月日と法律番号の欄が空欄です。[1]
副首都に指定される道府県未指定
法律は指定の要件と手続を定めるもので、具体的な地名は含まれていません。指定は法律の施行後に内閣総理大臣が行います。[1]
基本方針の内容未策定
政府が施策を総合的・計画的に進めるための基本方針を策定すると定められています。[1]
次に決まる場面
決める主体決める事項時期
政府(政令) 施行日の指定[1] 公布日から起算して三箇月以内
内閣総理大臣 副首都の指定[1] 施行後(時期は定められていません)
政府 基本方針の策定[1] 時期は定められていません
国会 施策の実施状況と検証結果の報告を受ける[1] 毎年

報道と公式記録の相違

当サイトは公式記録に従って記載しています。報道を誤りと断じる意図はありません (表現の違い、取材時点の違い、当サイト側の読み取り違いなど、理由はさまざまです)。

参議院本会議で可決した日

報道報道や解説の記述からは7月23日と読み取れる場合があります。

公式記録参議院の議案審議情報では、参議院本会議の議決日は令和8年7月24日です。[1]

当サイトは公式記録に従い7月24日と記載しています。当初、当サイトも報道の記述から7月23日と読み取っていましたが、公式記録を確認して訂正しました。

施行日

報道同じ国会で成立した改正皇室典範の施行日(10月24日)と混同されることがあります。

公式記録この法律の施行は「公布日から起算して三箇月以内で政令で定める日」と定められており、施行日を定める政令は確認できていません。[1]

別の法律の施行日ですので、この法律の施行日ではありません。

副首都法についてよくある質問

副首都法はいつ成立しましたか?

2026年7月24日に参議院本会議で可決され、成立しました。衆議院では7月15日に修正のうえ議決されています。[1]

いつから施行されますか?

法律には「公布日から起算して三箇月以内で政令で定める日から施行する」と定められています。施行日を定める政令は確認できていないため、当サイトでは施行日をまだ確定していないものとして扱っています。[1]

どこが副首都になるのですか?

法律には具体的な地名が含まれていません。内閣総理大臣が、東京圏と同時に被災する可能性が低いことなどの要件を定め、その要件に該当する地域を含む道府県を「副首都」として指定する仕組みになっています。[1]

「首都中枢機能代替地域」と「副首都」は何が違うのですか?

どちらも大規模災害時に首都の機能を一定期間代替する仕組みですが、代替する範囲が異なります。首都中枢機能代替地域は機能の「一部」を、副首都は「全部又は大部分」を代替し、あわせて多極分散型経済圏の中核となる機能も担うとされています。[1]

副首都に指定されると名前が「都」に変わるのですか?

特別区を設ける道府県が副首都になった場合に、その名称を「都」に変更する手続を定めるため、大都市地域における特別区の設置に関する法律が改正されました。指定されれば自動的に名称が変わるという規定ではなく、変更の手続が定められたという内容です。[1]

参議院の賛否はどう分かれたのですか?

投票総数244のうち賛成123、反対121でした。賛成は自由民主党・無所属の会、日本維新の会、チームみらい・無所属の会などで、反対は立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、参政党、日本共産党などでした。会派ごとの内訳は本文の表をご覧ください。[2]

成立後、国会はどう関わるのですか?

政府は、副首都の整備に係る施策などの実施状況と、集中推進期間における実施状況の検証結果を、毎年国会に報告しなければならないと定められています。[1]

更新履歴

  • 初版公開。参議院の議案審議情報と本会議投票結果をもとに、審議経過と会派別の賛否を掲載。
  • 訂正。参議院本会議での可決日を7月23日から7月24日に修正しました。報道の記述から読み取った日付が公式記録と異なっていたためです。あわせて「報道と公式記録の相違」に経緯を記載しました。
  • 記事の構造を更新。まだ決まっていないこと(施行日・公布年月日と法律番号・副首都の指定・基本方針)と、それぞれを誰がいつ決めるのかを、参議院の議案審議情報にもとづいて追記しました。本文の記述内容に変更はありません。

出典

事実の骨格は国会・官公庁の公式資料(一次情報)を根拠にし、直近の動きや争点の説明には報道を用いています。 確認の方法は編集方針をご覧ください。 * は 1 媒体のみが報じた事項です。

  1. 一次情報参議院議案審議情報 国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律案(議案審議情報・議案要旨) 時点 / 確認
  2. 一次情報参議院本会議投票結果 国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律案(衆議院提出)本会議投票結果 時点 / 確認
  3. 時事通信報道 政府提出法案、成立率100% 改正典範、国家情報会議法など 特別国会 配信 / 確認