外交・安全保障・危機管理成立

国家情報局とは?いつ成立し、何が決まったのか

ばらばらに置かれた複数の点から一つの結節点へ線が集まり、そこから上へ一本の線が伸びる構図で、分かれていた情報が一か所に集まる関係を表した抽象図

外交や安全保障にかかわる情報を集めて分析する仕事は、これまで内閣官房の内閣情報調査室、警察庁、公安調査庁、外務省、防衛省といった複数の役所に分かれていました。この分かれた状態を内閣のもとで束ね、方針を一本にするための法律が、2026年5月27日に成立しました。国家情報会議設置法(令和8年法律第28号)です。公布は同年6月3日です。

この法律がつくる組織は二つあります。一つは、内閣総理大臣を議長とし、関係する閣僚が加わる国家情報会議。もう一つは、その会議の事務を担い、内閣官房に置かれる国家情報局です。内閣官房が公表した法律案の概要によれば、国家情報局は、いまの内閣情報官と内閣情報調査室を発展的に解消して設けられます。

ただし、この二つが動きはじめる日を、当サイトは確定していません。 法律は施行の日を政令にゆだねており、その政令は2026年7月24日の閣議で決定されています。ここまでは首相官邸の公表資料で確認できます。しかし、政令が定めた日そのものが書かれた公式資料を、当サイトはまだ確認できていません。報道が伝えている日付は、下の「報道と公式記録の相違」に、報道の記載であることを明示して載せています。

参議院での採決は、投票総数245のうち賛成187・反対58でした。自由民主党・無所属の会と日本維新の会に加えて、国民民主党・新緑風会、公明党、参政党なども賛成にまわっています。反対したのは立憲民主・無所属、日本共産党、れいわ新選組などで、立憲民主・無所属は委員会に修正案を提出しましたが否決されました。

このページでは、法律で何が決まり、何がまだ決まっていないのかを、国会と政府の公式記録にもとづいて整理します。

国家情報局の基本的事項

関係省庁が集めた情報が国家情報局に集約され、閣僚で構成する国家情報会議が基本方針を決めるという二層の関係を示した図
関係省庁が集めた情報が国家情報局に集約され、閣僚で構成する国家情報会議が基本方針を決めるという二層の関係を示した図

国家情報会議 — 方針を決める閣僚の会議

国家情報会議は内閣に置かれ、議長は内閣総理大臣が務めます。議員(構成員)として法律に挙げられているのは、内閣総理大臣臨時代理としてあらかじめ指定された国務大臣、内閣官房長官、内閣府特命担当大臣、国家公安委員会委員長、法務大臣、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、防衛大臣です。

会議が調査審議するのは、法律の言葉でいう「重要情報活動」と「外国情報活動への対処」に関する重要事項です。この二つは法律に定義があります。

  • 重要情報活動 — 安全保障の確保、テロリズムの発生の防止、緊急の事態への対処など、重要な国政の運営に役立つ情報の収集調査にかかわる活動
  • 外国情報活動への対処 — 公になっていない情報のうち、漏えいすると重要な国政の運営に支障を与えるおそれのあるものを取得しようとする活動で、外国の利益を図る目的で行われるものへの対処

具体的な調査審議事項としては、関係する役所が重点を置くべき分野、役所どうしの連携と協力、情報収集衛星の開発と運用に関する重要事項、内外の情勢についての基本的な認識と評価、特に重要な事案の総合的な分析と評価などが挙げられています。

特定の事案を集中して扱う必要があるときは、議長が指定した関係閣僚だけで審議することもできます。逆に、必要があれば議案を限って他の国務大臣を臨時に参加させることもできます。

国家情報局 — 事務を担い、情報を集約する

国家情報局は、附則による内閣法の改正で内閣官房に置かれます。担う事務は大きく四つです。

  1. 内閣の重要政策に関する企画立案・総合調整などの事務のうち、重要情報活動、外国情報活動への対処、特定秘密の保護に関するもの
  2. 内閣の重要政策に関する情報の収集調査
  3. 国家情報会議の事務
  4. 会議に提供された資料・情報などを総合して整理する事務

トップとして国家情報局長が置かれ、特別職の国家公務員とされます。国家情報局長は、内閣官房長官と内閣官房副長官を助け、命を受けて局務を掌理します。2026年7月24日の閣議では、人事として原和也氏を国家情報局長に任命することが決定されています。

体制については、参議院の連合審査会で内閣官房の担当者が、令和8年度予算で約30名の増員が認められ、そこには課長級2名と室長級2名の増員も含まれていると説明しました。

また、内閣官房長官と関係する役所の長は、会議の調査審議に役立つ資料や情報を適時に提供し、議長の求めに応じて必要な協力を行わなければならないとされています。会議に情報が集まるしくみは、この規定が支えています。

政府の説明 — 「組織法であって作用法ではない」

国会審議でくり返し問われたのは、新しい組織が人々の情報をどう扱うのか、という点でした。これに対する政府の説明の軸は一貫していました。

内閣官房長官は、この法律案は行政機関どうしの関係を定める組織法であり、国民から情報を取得することを容易にする調査権限や捜査権限を新たに設けるものではない、と説明しています。各省庁が行う情報活動は、それぞれの設置法に定められた所掌事務にもとづいて、これまでと同じ権限で行われる、というのが政府の立場です。

個人情報やプライバシーの保護、政治的中立性についての配慮規定を法律に書き込まなかった理由も説明されました。憲法や個人情報保護法、国家公務員法などで一般的に定められている以上のことをこの法律だけに置くと、法体系全体のなかで特別な意味合いを与えることになり、かえって現場の情報活動の萎縮を招きかねない、という説明です。

独立した第三者機関による監督についても、内閣官房長官は、この法律が新たな権限を設けるものではないことから仕組みを設けておらず、必要とも考えていないと答弁しました。一方で、今後、国民の権利義務に直接かかわる制度を検討する場合には、民主的統制のあり方についても検討が必要になることが想定される、とも述べています。

内閣総理大臣は成立後の記者会見で、この法律は行政機関相互の関係を律するものであり、プライバシーに関するリスクを高めるものではないことを説明してきたとしたうえで、衆参両院の附帯決議を踏まえて運用すると述べました。

附帯決議 — 賛否が分かれたまま、注文は共同で付いた

参議院内閣委員会は、法律案を可決したうえで14項目の附帯決議を付けました。特徴的なのは、その提案者です。法律案に反対した立憲民主・無所属も、賛成した自由民主党・無所属の会、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党とともに、共同提案者に名を連ねています。採決では分かれた会派が、運用への注文では足並みをそろえたという形です。

決議に盛り込まれたのは、たとえば次のような内容です。

  • 情報活動を進めるにあたり、日本国憲法が保障する基本的人権を尊重すること
  • 情報部門(国家情報会議・国家情報局)と政策部門(国家安全保障会議・国家安全保障局)の適切な連携と分離を確保すること
  • 「重要情報活動」の解釈が過度に広くならないようにすること
  • 個人情報やプライバシーが無用に侵害されないよう十分な配慮を行い、目的外の情報提供では個人情報保護法を遵守すること
  • 政策部門は、所掌事務と無関係な情報収集を依頼しないこと。特定の党派の利益・不利益を図るために、国内の政治家や選挙にかかわる情報の収集は行わないこと
  • 政府の情報活動の中長期的な推進方策を文書にまとめ、国会に報告し公表すること
  • 会議の議事の記録を作成し、配付文書とともに公文書として適正な期間保存すること
  • 情報保全措置を万全にし、専門人材の確保と育成を進めること

衆議院内閣委員会でも、同じ日の可決とあわせて附帯決議が付いています。

何がまだ決まっていないのか

成立し、公布もされましたが、決まっていないことは残っています。当サイトが公式記録から確認できた範囲では、施行の日、国家情報会議で議論して取りまとめるとされた中長期的な推進方策の文書、そして附帯決議が求めた国会への説明のしかたは、いずれもこれからです。詳しくはこのページの「まだ決まっていないこと」をご覧ください。

示されている数値

数値は「決定したもの」「案として示されたもの」「試算」を区別して掲載しています。 位置づけの欄をあわせてご覧ください。

示されている数値
項目数値位置づけ
令和8年度予算での増員 約30名[10] 決定
参議院内閣委員会の附帯決議の項目数 14項目[5] 決定

国会での議論の動向

内閣提出から先議院での可決、後議院での可決による成立、公布、施行期日を定める政令の決定までの段階を示した流れ図
内閣提出から先議院での可決、後議院での可決による成立、公布、施行期日を定める政令の決定までの段階を示した流れ図
  1. 衆議院

    内閣提出の法律案として提出[1]

    衆議院が先に審議する「衆先議」の扱い。担当は内閣情報調査室

  2. 衆議院

    内閣委員会に付託[1]

  3. 衆議院

    内閣委員会で可決し、附帯決議を付した[6]

    同じ日、内閣委員会・法務委員会・外務委員会・安全保障委員会の連合審査会も開かれた。また、議員が提出していた別の法律案は同日に否決された

  4. 衆議院

    本会議で可決[1]

    採決態様は多数、採決方法は起立。同日、参議院が受領

  5. 参議院

    内閣委員会に付託[1]

  6. 参議院

    内閣委員会・法務委員会・外交防衛委員会の連合審査会を開催[5]

  7. 参議院

    内閣委員会で可決。修正案は否決され、14項目の附帯決議を付した[5]

    立憲民主・無所属の議員が提出した修正案は挙手による採決で少数となり否決された。附帯決議は自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党の共同提案

  8. 参議院

    本会議で可決し、成立[2]

    押しボタン採決。投票総数245、賛成187、反対58

  9. 両院

    公布(令和8年法律第28号)[1]

  10. 両院

    政府が「国家情報会議設置法の施行期日を定める政令」を閣議決定[7]

    同じ閣議で、施行に伴う関係政令の整備等に関する政令と、既往の閣議決定の整理も決定された。人事として、原和也氏を国家情報局長に任命することも決定された

国会での説明

国会でどう説明されたかを、会議録にもとづいて要約しています。発言をそのまま引き写してはいません。

  • 木原稔国務大臣自由民主党・無所属の会

    衆議院内閣委員会

    この法律案は組織法であって作用法ではなく、国民から情報を取得することを容易にする調査権限や捜査権限を新たに設けるものではないと説明した[6]

  • 木原稔国務大臣自由民主党・無所属の会

    衆議院内閣委員会

    諸外国の情報機関に対する統制の仕組みも調べたが、統治機構や行政組織のあり方が異なるため他国の仕組みをそのまま当てはめるのは適当ではないと考え、監視機能に関する規定は設けていないと説明した[6]

  • 木原稔国務大臣自由民主党・無所属の会

    参議院内閣委員会

    個人情報やプライバシーの保護、政治的中立性についての配慮規定をこの法律に置かない理由として、憲法や個人情報保護法などで一般的に定められている以上の特別な意味合いを与えることになり、情報活動の萎縮を招きかねないと説明した[5]

  • 木原稔国務大臣自由民主党・無所属の会

    参議院内閣委員会

    閣僚級の会議が各省庁の情報活動の基本方針を定めること自体が、議院内閣制のもとでの民主的統制の強化にあたると説明した[5]

  • 高市早苗内閣総理大臣自由民主党・無所属の会

    参議院内閣委員会

    政府の情報活動の中長期的な推進方策をまとめた文書を作成・公表したいとしたうえで、施行後に国家情報会議で議論するため取りまとめの時期は現時点で明確に述べられないと答弁した[5]

質疑で問われたこと

  • 立憲民主・無所属

    欧米の主要国のインテリジェンス法制には活動を定期的に国会に報告するなどの民主的統制の仕組みがあると指摘し、政府案にはその備えが乏しいとして、四つの柱からなる修正案を提出した(修正案は否決)[5]

  • 日本共産党

    国家情報局が求めれば各省庁が持つ個人情報が目的外に提供されうると指摘し、これに対する民主的な規制が担保されていないと述べた[5]

  • れいわ新選組

    現行の特定秘密保護法には一定年限を過ぎれば原則公開となる自動解除の仕組みがなく、記録の管理のあり方を含めて先に整えるべき制度があると述べた[5]

  • 国民民主党・新緑風会

    情報が政治的な意図でゆがめられる「情報の政治化」を深刻なリスクに挙げ、国会への報告と公表、政策部門と情報部門の分離、独立的・第三者的な監視機能の導入の検討などを求めた[5]

賛否・論点の整理

当サイトはいずれの立場も取りません。採決の賛否は公式記録の会派別集計を、主張の内容は報道が伝えたものを、 それぞれ出典を示して並べています。議員個人の投票は 編集方針に記した理由により掲載していません(公式ページで確認できます)。

賛成の立場

  • 自由民主党・無所属の会・国民民主党・新緑風会・公明党・日本維新の会・参政党・日本保守党・チームみらい・無所属の会・各派に属しない議員の一部

    参議院内閣委員会の討論で、国民民主党・新緑風会の議員は、安全保障環境が複雑になり外国による不当な影響力行使の脅威が増しているとして、的確な情報にもとづく施策の実行が必要だと述べ、組織の器をつくる第一歩として賛成すると表明しました。あわせて、民主的統制や透明性の確保はなお途上だとして、国会への報告と公表、政策と情報の分離、独立的・第三者的な監視機能の導入の検討などを政府に求めました。[5]

    会派別の賛否[2]
    会派所属賛成反対投票なし
    自由民主党・無所属の会 101 100 0 1
    国民民主党・新緑風会 25 25 0 0
    公明党 21 21 0 0
    日本維新の会 19 19 0 0
    参政党 15 15 0 0
    日本保守党 2 2 0 0
    チームみらい・無所属の会 2 2 0 0
    各派に属しない議員 6 3 2 1

反対の立場

  • 立憲民主・無所属・日本共産党・れいわ新選組・沖縄の風・社会民主党・各派に属しない議員の一部

    参議院内閣委員会の討論で、立憲民主・無所属の議員は、インテリジェンス能力の強化をすべて否定しているわけではないとしたうえで、政府案には情報機関の活動を民主的に統制する仕組みが明文化されていないとして反対を表明しました。日本共産党の議員は、国家情報局が求めれば各省庁が持つ個人情報が目的外に提供されうると述べ、れいわ新選組の議員は、特定秘密の指定を一定年限で自動的に解除する仕組みがないままでは記録が長く閉じられうると述べました。[5]

    会派別の賛否[2]
    会派所属賛成反対投票なし
    立憲民主・無所属 40 0 40 0
    日本共産党 7 0 7 0
    れいわ新選組 5 0 5 0
    沖縄の風 2 0 2 0
    社会民主党 2 0 2 0

まだ決まっていないこと

決まっていないことを「未定」とだけ書くのではなく、何が、どういう理由で決まっていないのかを、 公式記録で確認できた範囲で示しています。

施行日(国家情報会議と国家情報局が動きはじめる日)政令待ち
法律は「公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する」と定めています。公布は2026年6月3日です。施行期日を定める政令が2026年7月24日の閣議で決定されたことは首相官邸の公表資料で確認できますが、その政令が定めた日そのものは、当サイトが参照できた公式資料では確認できていません。[7]
政府の情報活動の中長期的な推進方策をまとめた文書検討中
内閣総理大臣は参議院内閣委員会で、この文書を作成して公表したいとしたうえで、内容は施行後に国家情報会議で議論するため、取りまとめの時期を現時点で明確に述べることはできないと答弁しました。附帯決議も、この文書を国会に報告し公表することを求めています。[5]
独立した第三者機関による監督の仕組み設けない方針
内閣官房長官は参議院内閣委員会で、この法律は行政機関どうしの関係を定めるものであり、新たな調査権限や捜査権限を設けるものではないことから、第三者機関による監督の仕組みは設けておらず、必要とも考えていないと答弁しました。他方で、今後、国民の権利義務に直接かかわる制度を検討する場合には、民主的統制のあり方についても検討が必要になることが想定されるとも述べています。[5]
この法律に続くインテリジェンス施策検討中
内閣総理大臣は成立後の記者会見で、この法律はインテリジェンス機能を強化する改革の第一歩であり、その他の施策について現時点で具体的な内容を述べられる段階にはないと述べました。[8]
次に決まる場面
決める主体決める事項時期
政府(政令) 施行日の指定[7] 公布の日(2026年6月3日)から起算して六月を超えない範囲内。2026年7月24日の閣議で政令が決定されています
国家情報会議 重要情報活動と外国情報活動への対処に関する基本的な方針の決定[4] 施行後(時期は定められていません)
国家情報会議 政府の情報活動の中長期的な推進方策をまとめた文書の内容[5] 施行後
政府 附帯決議で求められた国会への説明・報告のしかたの具体化[5] 施行後

報道と公式記録の相違

当サイトは公式記録に従って記載しています。報道を誤りと断じる意図はありません (表現の違い、取材時点の違い、当サイト側の読み取り違いなど、理由はさまざまです)。

国家情報局が発足する日

報道時事通信や日テレNEWS NNNなどの報道は、政府が2026年7月24日の閣議で決定し、国家情報局を7月31日に設置すると伝えています。

公式記録首相官邸が公表している2026年7月24日の閣議案件には「国家情報会議設置法の施行期日を定める政令」を決定したことが記載されています。ただし、その政令が定めた日そのものは、2026年7月27日時点で当サイトが参照できた国会・政府の公式資料には記載がありません。[7]

当サイトは、政令が決定されたことを公式記録にもとづいて記載し、日付については報道による記載であることを明示しています。公式資料で日付を確認できた時点で本文と年表を更新します。

補足

同じ国会に、議員が出した別の法案もあった

第221回国会には、議員が発議した「インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案」も提出されていました。衆議院内閣委員会は2026年4月22日にこの二つを一括して審議し、政府提出の国家情報会議設置法案を可決する一方、議員提出のこの法律案は否決しています。翌23日の衆議院本会議でも否決されました。

同じ分野に二つの案が並び、片方が通って片方が通らなかったという経過は、報道では見えにくくなりがちです。当サイトが参議院の議案審議情報で確認できた事実として、ここに記しておきます。

国家情報局についてよくある質問

国家情報局とはどんな組織ですか?

内閣官房に置かれる組織で、国家情報会議の事務を担うほか、各省庁が行う情報活動の総合調整、内閣の重要政策に関する情報の収集調査、集まった資料や情報を総合して整理する事務を担います。トップとして国家情報局長が置かれ、特別職の国家公務員とされています。[4]

国家情報会議と国家情報局は何が違うのですか?

国家情報会議は内閣に置かれる閣僚の会議体で、情報活動の基本的な方針や、特に重要な事案の分析・評価を調査審議します。国家情報局は内閣官房に置かれる事務組織で、その会議の事務を担い、日々の総合調整や情報の集約を行います。方針を決めるのが会議、実務を担うのが局という関係です。[4]

いつから動きはじめますか?

法律は「公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する」と定めています。公布は2026年6月3日です。施行期日を定める政令が2026年7月24日の閣議で決定されたことは首相官邸の公表資料で確認できますが、政令が定めた日そのものは、2026年7月27日時点で当サイトが参照できた公式資料には記載がありません。報道による日付は「報道と公式記録の相違」に記載しています。[7]

内閣情報調査室はどうなるのですか?

内閣官房が公表した法律案の概要では、国家情報局は内閣情報官と内閣情報調査室を発展的に解消して設置すると説明されています。[3]

この法律で、国が新しく個人情報を集められるようになるのですか?

内閣官房長官は国会で、この法律は行政機関どうしの関係を定める組織法であり、国民から情報を取得することを容易にする調査権限や捜査権限を新たに設けるものではないと繰り返し説明しました。一方で、国会の審議では、既存の権限のもとで各省庁が持つ個人情報が目的外に提供されうるという指摘も出され、附帯決議には個人情報やプライバシーが無用に侵害されないよう十分な配慮を行うことが盛り込まれました。[5]

国家安全保障会議(NSC)や国家安全保障局とは何が違うのですか?

参議院内閣委員会の附帯決議は、情報部門である国家情報会議・国家情報局が、政策部門である国家安全保障会議・国家安全保障局と対等な関係として新たに位置付けられるとしたうえで、両部門の適切な連携と分離を確保することを政府に求めています。情報を集めて分析する側と、それをもとに政策を決める側を分けるという整理です。[5]

参議院の賛否はどう分かれたのですか?

投票総数245のうち賛成187、反対58でした。賛成は自由民主党・無所属の会、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党などで、反対は立憲民主・無所属、日本共産党、れいわ新選組などでした。会派ごとの内訳は本文の表をご覧ください。[2]

同じ時期に、議員が出した別の法案もあったと聞きました。

議員が発議した「インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案」が同じ国会に提出され、衆議院内閣委員会でこの法律案と一括して審議されました。参議院の議案審議情報によると、この議員提出の法律案は2026年4月22日に衆議院内閣委員会で、翌23日に衆議院本会議で否決されています。[9]

更新履歴

  • 初版公開。参議院の議案審議情報と本会議投票結果、内閣官房が公表した法律案の概要と要綱、国立国会図書館の会議録、首相官邸の閣議案件と記者会見をもとに、審議経過、会派別の賛否、政府の説明、まだ決まっていないことを掲載。

出典

事実の骨格は国会・官公庁の公式資料(一次情報)を根拠にし、直近の動きや争点の説明には報道を用いています。 確認の方法は編集方針をご覧ください。 * は 1 媒体のみが報じた事項です。

  1. 一次情報参議院議案審議情報 国家情報会議設置法案(議案審議情報・議案要旨) 時点 / 確認
  2. 一次情報参議院本会議投票結果 国家情報会議設置法案(内閣提出、衆議院送付)本会議投票結果 時点 / 確認
  3. 一次情報内閣官房法案資料 【概要】国家情報会議設置法案 時点 / 確認
  4. 一次情報内閣官房法案資料 国家情報会議設置法案要綱 時点 / 確認
  5. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 参議院 内閣委員会 第10号(2026年5月26日) 時点 / 確認
  6. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 内閣委員会 第7号(2026年4月22日) 時点 / 確認
  7. 一次情報首相官邸閣議案件 令和8年7月24日(金)定例閣議案件 時点 / 確認
  8. 一次情報首相官邸記者会見 国家情報会議設置法の成立についての会見 時点 / 確認
  9. 一次情報参議院議案審議情報 インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案(議案審議情報) 時点 / 確認
  10. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 参議院 内閣委員会、法務委員会、外交防衛委員会連合審査会 第1号(2026年5月21日) 時点 / 確認
  11. 時事通信報道 国家情報局、31日設置 インテリジェンス強化 配信 / 確認
  12. Yahoo!ニュース報道(配信:日テレNEWS NNN) 国家情報局 31日に発足 政府が閣議で決定 配信 / 確認