税・財政案が示された段階

消費税減税とは?何が示され、いつ決まるのか

決まったことと決まっていないことの量を、塗りつぶした帯と輪郭だけの帯の対比で表した抽象図

飲食料品の消費税率を、2年間だけ1%に下げる。そうした案が、政府と各党でつくる社会保障国民会議の実務者会議で議論されています。

2026年7月21日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針2026、いわゆる骨太の方針は、この件について次のように書いています。

「給付付き税額控除」とそのつなぎ(飲食料品の消費税率等)については、今後予定されている社会保障国民会議の中間とりまとめを踏まえ、本年8月上旬までを目途に、その方針を決定する。

決まっているのは、ここまでです。 税率も、実施の時期も、2026年7月27日の時点では決まっていません。首相自身が、6月4日の衆議院予算委員会で「一%ということも決まったわけではありません」と述べています。

このページは、公式の記録でどこまで確かめられるかを基準に書いています。根拠は三つ、閣議決定された基本方針と、政府の会議に配られた資料と、国会の会議録です。この三つで確かめられたことだけを、確かめられた形で並べています。

消費税減税の基本的事項

給付付き税額控除の本格導入と、その前に置かれる経過措置としての消費税率の引下げ案が、どのような二段構えとして示されているかを表した図
給付付き税額控除の本格導入と、その前に置かれる経過措置としての消費税率の引下げ案が、どのような二段構えとして示されているかを表した図

案の中身は二段構えになっている

実務者会議に配られた中間とりまとめ案は、二つの段階を組み合わせた形をとっています。

  • 本格導入 — 所得に連動したきめ細やかな給付を、令和11年度(2029年度)に本格導入する
  • 経過措置(つなぎ) — それまでの間、令和9年(2027年)4月1日から2年間、軽減税率の対象となっている飲食料品の消費税率を1%とし、あわせて1%相当分の範囲内で所得に連動した給付を令和9年度に先行して導入する

この二つを合わせて「全体として飲食料品に係る消費税の実質ゼロ化を実現する」というのが、案の骨格です。政府は前者を改革の本丸、後者をその実施までのつなぎと呼んでいます。

首相は6月22日の衆議院予算委員会で、2年間が終わった後は現行の8%の軽減税率に戻すことを政府・与党として想定していると述べ、2年後には元に戻すとはっきり申し上げておく、と重ねて述べました。

数値は出そろっている。ただし、出ていない数値もある

財務大臣は、飲食料品の消費税率を1%にした場合の減収額を約4.3兆円とし、総人口で割ると一人当たり1年で約3万6千円になると答弁しました。総務大臣は、そのうち地方の減収見込額を機械的に計算すると1.6兆円程度になると述べています。

一方で、まだ出ていない数値もあります。 農林水産大臣は、農業者や食品関連の中小事業者にどの程度の負担増が生じるかについて、現状としては試算は行っていないと述べました。外食産業への影響も、事業体によって異なるため一律に試算することは困難だと述べています。

試算をしていないということも、公式の記録として残ります。上の表では、その二つを試算なしと明記して、数値のある項目と同じ表に並べました。

実務者会議は20回開かれたが、直近の議事要旨はまだ出ていない

社会保障国民会議は、2026年2月26日に第1回が開かれました。その下に置かれた給付付き税額控除等に関する実務者会議は、3月12日の第1回から7月22日の第20回まで、20回にわたって開かれています。

配られた資料は内閣官房のページで公開されています。ただし、第19回と第20回の議事要旨は、2026年7月27日の時点では公表されていません。 その2回で各党が何を述べたかは、いまのところ公式には確かめられていません。

会議で並んでいる意見は、賛成と反対の二つではない

中間とりまとめ案そのものが、実務者会議で出た意見を三つに書き分けています。消費税率の引下げではなく給付で対応すべきとの意見、財源を確保したうえで飲食料品の消費税を恒久的に減税すべきとの意見、そして指摘された課題に対応しつつ、本格導入までのつなぎとしてできるだけ早く引下げを行うべきとの意見の三つです。

賛成と反対の二つに割り切れる形にはなっていません。 当サイトがこのページに賛否の一覧を置いていないのは、そのためです。国会の質疑でも、8つの会派がそれぞれ別の角度から問いを立てています。下の節では、どの会派が何を問うたのかを、会派名を明記したうえで同じ分量で並べています。

決めるのは誰で、いつなのか

閣議決定された基本方針が示した期限は、2026年8月上旬までです。その前提として、社会保障国民会議の中間とりまとめが置かれています。とりまとめを踏まえて方針が決まり、その後に税法の改正案が国会へ——という順序です。首相は6月4日の衆議院予算委員会で、この夏に結論が出れば、次の国会でできるだけ早く改正案を出したいと述べました。

2026年7月27日の時点で、法案はまだ提出されていません。

示されている数値

数値は「決定したもの」「案として示されたもの」「試算」を区別して掲載しています。 位置づけの欄をあわせてご覧ください。

示されている数値
項目数値位置づけ
飲食料品の消費税率 1%[4]
実施の期間 令和9年4月1日から2年間[4]
国と地方を合わせた減収額 約4.3兆円[6] 試算
一人当たりの1年間の減税額 約3万6千円[6] 試算
地方の減収見込額 1.6兆円程度[7] 試算
農業者・食品関連中小事業者の負担増 試算していない[9] 試算なし
外食産業への影響 一律の試算は困難[10] 試算なし

国会での議論の動向

政府の会議での検討、閣議決定による期限の設定、国会への法案提出という三つの段階のうち、どこまでが済んでいるかを示した図
政府の会議での検討、閣議決定による期限の設定、国会への法案提出という三つの段階のうち、どこまでが済んでいるかを示した図
  1. 社会保障国民会議の第1回会議が開かれた[2]

    内閣官房が開催状況を公表しています

  2. 給付付き税額控除等に関する実務者会議の第1回会議が開かれた[2]

    この実務者会議が、税率と時期を具体的に議論する場になっています

  3. 衆議院

    予算委員会で首相が、結論が出れば次の国会でできるだけ早く税法の改正案を出したいと述べた[13][14]

    同じ日に首相は、一%ということも決まったわけではない、とも述べています

  4. 参議院

    財政金融委員会で財務大臣が、夏前に中間とりまとめを行い、必要な法案の早期提出を目指すと述べた[15]

    野党の協力が得られればという前提が置かれています

  5. 衆議院

    予算委員会で首相が議長案の内容を説明し、各大臣が数値を答弁した[5][6]

    財務大臣は減収額を約4.3兆円、総務大臣は地方の減収見込額を1.6兆円程度と述べました

  6. 実務者会議の第17回会議で「中間とりまとめ(案)」が資料として配られた[2][4]

    後にその一部が抜粋のかたちで第20回会議に配られています

  7. 「経済財政運営と改革の基本方針2026」が閣議決定された[1]

    8月上旬までを目途に方針を決定すると書かれています。税率や時期の具体的な数値は書かれていません

  8. 実務者会議の第20回会議で、中間とりまとめ案の「制度の経過措置(つなぎ)」部分が議題になった[3][2]

    議事要旨は、2026年7月27日の時点では公表されていません

国会での説明

国会でどう説明されたかを、会議録にもとづいて要約しています。発言をそのまま引き写してはいません。

  • 高市早苗内閣総理大臣

    衆議院予算委員会

    実務者会議で小野寺議長が示した案として、給付付き税額控除の将来像は継続して検討すること、所得に連動したきめ細やかな給付を令和11年度に本格導入すること、それまでのつなぎとして令和9年4月1日から2年間、軽減税率の対象となっている飲食料品の消費税率を1%とすること、あわせて令和9年度から先行的な給付を導入し、全体として飲食料品に係る消費税の実質ゼロ化を実現することの4点を説明しました。そのうえで、これは中間とりまとめに向けて一段の整理を行うために示されたものだと述べています。[5]

  • 高市早苗内閣総理大臣

    衆議院予算委員会

    2年間の減税が終了した後は現行の8%の軽減税率に戻すことを政府・与党として想定していると述べ、2年後には元に戻すとはっきり申し上げておく、と重ねて述べました。あわせて、税率を変えられる仕組みを整えておくこと自体に、災害や感染症のときの手立てとしての意味があるという考えも示しています。[12]

  • 高市早苗内閣総理大臣

    衆議院予算委員会

    財源については、特例公債に頼らないことを前提に検討して結論を得ることにしていると述べ、これまでも実績のある補助金や租税特別措置の見直し、税外収入の確保といった歳出歳入全般の見直しが考えられるとしたうえで、現時点で予断を持って答えることはしない、と述べました。[11]

  • 高市早苗内閣総理大臣

    衆議院予算委員会

    税率や実施時期は国民会議で議論を行って結論を得ようとしている段階であり、現時点で結論を先取りすることはしないと述べたうえで、この夏に結論が出れば、次の国会でできるだけ早く税法の改正案を出したいと述べました。[13]

  • 高市早苗内閣総理大臣

    衆議院予算委員会

    質疑のなかで税率を1%と前提した問いに対し、一%ということも決まったわけではありません、と述べました。給付の対象者の範囲についても、決定されたものではないと承知していると述べています。[14]

  • 片山さつき国務大臣

    衆議院予算委員会

    軽減税率の対象である飲食料品の消費税率を1%にした場合、減収額が約4.3兆円になるため、総人口の約1.2億人で割ると一人当たり1年で約3万6千円になると答弁しました。個々の消費の状況によって大きく異なるという前置きを付けています。[6]

  • 片山さつき国務大臣

    衆議院予算委員会

    税率の引下げ分だけ店頭価格が下がるのかを問われ、事業者の価格設定は経営判断そのものであるため政府として確実な見通しを示すことは困難だとしたうえで、税制改革法が価格への適正な転嫁を通じて最終的に消費者が負担することを予定していることから、値下げ分は基本的には価格に反映されるものと考えていると述べました。国民会議のヒアリングでは、小売事業者の団体から価格はある程度は引き下がるだろうという意見が多く示されたとも説明しています。[8]

  • 林芳正国務大臣

    衆議院予算委員会

    軽減税率の8%を1%とした場合の地方の減収見込額を機械的に計算すると、地方消費税分が1.0兆円、地方交付税分が0.7兆円で、合計1.6兆円程度になると答弁しました。消費税の税収の約4割が自治体の税財源になっていることも説明しています。[7]

  • 鈴木憲和国務大臣

    衆議院予算委員会

    農業者や食品関連の中小事業者にどの程度の負担増が生じるかについて、現状としては試算は行っていないと述べました。そのうえで、免税事業者や簡易課税事業者が円滑に還付を受けられるのか、本則課税事業者は還付までの資金繰りをどうするのか、外食の売上げに影響が及ぶのではないかといった声を把握していると説明しています。[9]

  • 鈴木憲和国務大臣

    衆議院予算委員会

    外食産業への影響について、内食や中食が相対的に安くなることによる需要減がある一方、実質的な購買力が増えることで外食の需要が喚起される面もあり、事業体によって影響が異なるため、一律に試算することは困難だと述べました。[10]

  • 片山さつき国務大臣

    参議院財政金融委員会

    政府・与党として、超党派の社会保障国民会議を設置したうえで、改革の本丸である給付付き税額控除の実施と、それまでの2年間のつなぎとしての食料品の消費税減税について検討してきたと述べ、野党の協力が得られれば夏前に中間とりまとめを行い、必要な法案の早期提出を目指すのが方針だと説明しました。[15]

  • 片山さつき国務大臣

    参議院財政金融委員会

    恒久的な引下げを求める問いに対し、今回検討しているのは給付付き税額控除の実現までの間の2年間に限ったつなぎであり、恒久的な消費税の税率配分の組替えではないと述べました。G7各国との税率の比較についても、対象となる品目の区分が国ごとに異なるため、単純な比較で日本が高いとは言い切れないという見方を示しています。[16]

  • 城内実国務大臣

    衆議院予算委員会

    国民会議を担当する立場から、実務者会議で示された「中間とりまとめに向けた議論の整理」では、給付付き税額控除と既存の社会保障制度の双方から取り残される者が生じないようにすること、就労に制約のある方や低所得の方に必要な支援が行き届くようにすることが重要だとされていると説明し、現時点で対象者は決定されたものではないと述べました。[17]

質疑で問われたこと

  • 国民民主党・無所属クラブ

    税率を下げてもその分だけ店頭価格が下がるとは限らないこと、農業者や外食産業や地方財政への影響が具体的に議論されていないこと、2年後に元へ戻すことが実際には難しいことを挙げ、同じ規模の財源があるなら所得税と住民税の税額控除や社会保険料の負担軽減に充てるほうが確実で早いのではないか、という対案を示して問いました。[18][19]

  • チームみらい

    物価高対策としての消費税減税には反対だという立場を明らかにしたうえで、国民会議の議事要旨にも懸念が並んでいるのに、それをどう解消するかの具体案が出ていないと述べ、結論を出す前に懸念への答えを会議の場で議論するよう議長に伝えてほしいと求めました。[20]

  • 中道改革連合・無所属

    議長案の給付が働いている中低所得者を対象としているため、年金だけで暮らす方や、病気や障害や就労環境の事情で働きたくても働けない方が対象から外れるのではないかと問い、そうした方をどう支えるのかをただしました。[21]

  • 公明党

    2年後に8%へ戻す際には年間5兆円を超える負担増になるため、経済への影響が大きすぎるのではないかと問いました。日本の家計はエンゲル係数が高い一方で食料品にかかる税率もG7で高い水準にあるとして、恒久的な負担軽減が必要ではないかともただしました。[22]

  • 日本共産党

    食料品だけを2年間だけという内容では不十分だとして、一律の引下げを恒久的に行うべきだという立場を示し、方向が一致しているのであれば会議体ではなく国会に法案を出して議論するほうが実のある議論になるのではないかと問いました。[23]

  • 自由民主党・無所属の会

    簡易課税と免税の農業者は、売る側の税率が下がっても肥料や資材や機械を買う際の税率は変わらないため、差額が事業者の負担として残ることを指摘し、中小の農家が経営を続けられるようにする手立てをただしました。[24]

  • れいわ新選組

    税収が増えているのだから消費税減税と給付付き税額控除の双方を速やかに実施できるはずだとして、会議体での検討が時間稼ぎになっていないかと問いました。[25]

  • 日本維新の会

    消費税減税と給付付き税額控除のどちらからも漏れる人が出ない制度設計が必要だと述べ、あわせて、高齢者数がピークを迎える2040年ごろを見据えた社会保障の全体像もこの会議で議論する対象に入っているのかを確認しました。[26]

まだ決まっていないこと

決まっていないことを「未定」とだけ書くのではなく、何が、どういう理由で決まっていないのかを、 公式記録で確認できた範囲で示しています。

飲食料品の消費税率検討中
実務者会議には1%とする案が示されていますが、首相は2026年6月4日の衆議院予算委員会で、一%ということも決まったわけではない、と述べています。[14][4]
実施の時期検討中
中間とりまとめ案には令和9年4月1日から2年間と書かれていますが、案の段階です。閣議決定された基本方針には、税率も時期も具体的な数値は書かれていません。[4][1]
財源検討中
首相は、特例公債に頼らないことを前提に、補助金や租税特別措置の見直し、税外収入の確保などの歳出歳入全般の見直しが考えられるとしたうえで、現時点で予断を持って答えることはしないと述べました。具体的にどれをどれだけ充てるのかは示されていません。[11]
中間とりまとめ検討中
閣議決定された基本方針は「今後予定されている社会保障国民会議の中間とりまとめを踏まえ」と書いており、2026年7月21日の時点でとりまとめは行われていませんでした。第20回実務者会議の議事要旨は、2026年7月27日の時点では公表されていません。[1][2]
農業者や食品関連の中小事業者への影響試算なし
農林水産大臣は、どの程度の負担増が生じるかについて現状としては試算は行っていないと述べました。外食産業への影響についても、事業体によって異なるため一律に試算することは困難だと述べています。[9][10]
税法の改正案検討中
首相は結論が出れば次の国会でできるだけ早く出したいと述べ、財務大臣は必要な法案の早期提出を目指すと述べています。2026年7月27日の時点で、法案は提出されていません。[13][15]
次に決まる場面
決める主体決める事項時期
政府(閣議決定) 給付付き税額控除とそのつなぎ(飲食料品の消費税率など)の方針[1] 2026年8月上旬までを目途
社会保障国民会議の実務者会議 中間とりまとめ[1][2] 閣議決定された基本方針は「今後予定されている」としています
国会 税法の改正案の提出と審議[13] 首相は次の国会でできるだけ早く出したいと述べています

補足

2027年4月から1%に下がる、と書かれた解説を見かけたら

検索すると、2027年4月から1%に下がる、8月上旬に決定、と日付まで添えて断定した解説が並びます。この二つは、確からしさがまったく違います。

  • 後の部分は、公式に書かれています。 「8月上旬までを目途に方針を決定する」は、閣議決定された文書そのものの表現です
  • 前の部分は、まだ案です。 令和9年4月1日から2年間という日付は、実務者会議に配られた中間とりまとめ案に書かれたものであって、決まったものではありません

首相が国会で、一%ということも決まったわけではない、と述べているのは、まさにこの違いのことです。当サイトは、案として示されたことと、決まったことを書き分けます。

給付付き税額控除は別のトピックとして扱います

政府は、給付付き税額控除を改革の本丸、飲食料品の消費税率の引下げをそのつなぎと位置づけています。二つは同じ会議で議論されていますが、論点が別です。このページで扱うのは、つなぎとされている部分です。

このページを書き加える条件

  • 社会保障国民会議の中間とりまとめが行われ、公表されたとき
  • 2026年8月上旬までに方針が決まったとき
  • 第19回・第20回の実務者会議の議事要旨が公表されたとき
  • 税法の改正案が国会に提出されたとき

いずれも、公式の記録で確かめられた時点で書き加えます。会議録の公開には日数がかかるため、国会でのやり取りは少し遅れて反映されます。

消費税減税についてよくある質問

食料品の消費税が下がることは決まったのですか?

決まっていません。政府と各党でつくる社会保障国民会議の実務者会議に案が示されている段階です。2026年7月21日に閣議決定された基本方針は、この件について2026年8月上旬までを目途に方針を決定する、としています。[1][14]

いつから、どのくらい下がる案なのですか?

実務者会議に配られた中間とりまとめ案には、令和9年(2027年)4月1日から2年間、軽減税率の対象となっている飲食料品の消費税率を1%とする、と書かれています。あわせて1%相当分の範囲内で所得に連動した給付を令和9年度に導入し、全体として実質ゼロ化を実現するという内容です。いずれも案の段階です。[4]

2年たったら、どうなる案なのですか?

首相は2026年6月22日の衆議院予算委員会で、2年間の減税が終了した後は現行の8%の軽減税率に戻すことを政府・与党として想定していると述べました。この点は財務大臣も同じ内容を述べています。[12][16]

税収はどのくらい減る見込みなのですか?

財務大臣は、飲食料品の消費税率を1%にした場合の減収額を約4.3兆円とし、総人口で割ると一人当たり1年で約3万6千円になると答弁しました。総務大臣は、このうち地方の減収見込額を機械的に計算すると1.6兆円程度になると述べています。[6][7]

税率が下がった分だけ、店頭の値段は下がるのですか?

財務大臣は、事業者の価格設定は経営判断そのものであるため政府として確実な見通しを示すことは困難だとしたうえで、値下げ分は基本的には価格に反映されるものと考えていると答弁しました。国民会議のヒアリングでは小売事業者の団体から価格はある程度は引き下がるだろうという意見が多く示された、とも説明しています。[8]

専門家はどう見ているのですか?

野村総合研究所の木内登英氏は、価格の改定にはコストがかかるため企業が将来の値上げ分を引下げ時に前倒しで反映する可能性があり、理論上の6.5%に対して実際の値下がりは半分程度にとどまりうると述べています。2020年にドイツが付加価値税の軽減税率を下げた際に消費者価格への転嫁が約7割にとどまったとする実証研究があることも紹介しています。あわせて、財源の議論が後回しになっていることが最も深刻な問題だという見方も示しています。*[27]

農家や飲食店への影響はどうなるのですか?

農林水産大臣は、農業者や食品関連の中小事業者にどの程度の負担増が生じるかについて、現状としては試算は行っていないと述べました。外食産業への影響についても、一律に試算することは困難だと述べています。免税事業者や簡易課税事業者が円滑に還付を受けられるのか、還付までの資金繰りをどうするのかといった声を把握している、という説明にとどまっています。[9][10]

「給付付き税額控除」とはどう関係するのですか?

政府は、給付付き税額控除を改革の本丸と位置づけ、飲食料品の消費税率の引下げをその実施までのつなぎと位置づけています。首相は、所得に連動したきめ細やかな給付を令和11年度に本格導入し、それまでの経過措置として税率を下げるという二段構えの案が示されていると説明しました。[5][15]

更新履歴

  • 初版公開。閣議決定された基本方針、社会保障国民会議に配られた資料、国会の会議録をもとに、示されている案の中身と、まだ決まっていないことを整理しました。

出典

事実の骨格は国会・官公庁の公式資料(一次情報)を根拠にし、直近の動きや争点の説明には報道を用いています。 確認の方法は編集方針をご覧ください。 * は 1 媒体のみが報じた事項です。

  1. 一次情報内閣府政府会議資料 経済財政運営と改革の基本方針2026(令和8年7月21日 閣議決定) 時点 / 確認
  2. 一次情報内閣官房政府会議資料 社会保障国民会議(開催状況一覧) 時点 / 確認
  3. 一次情報内閣官房政府会議資料 社会保障国民会議 給付付き税額控除等に関する実務者会議(第20回)議事次第 時点 / 確認
  4. 一次情報内閣官房政府会議資料 中間とりまとめ(案)「制度の経過措置(つなぎ)」部分抜粋(第20回実務者会議 資料2) 時点 / 確認
  5. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第15号(2026年6月22日)内閣総理大臣答弁 時点 / 確認
  6. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第15号(2026年6月22日)財務大臣答弁 時点 / 確認
  7. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第15号(2026年6月22日)総務大臣答弁 時点 / 確認
  8. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第15号(2026年6月22日)財務大臣答弁(価格への反映) 時点 / 確認
  9. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第15号(2026年6月22日)農林水産大臣答弁 時点 / 確認
  10. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第15号(2026年6月22日)農林水産大臣答弁(外食産業) 時点 / 確認
  11. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第15号(2026年6月22日)内閣総理大臣答弁(財源) 時点 / 確認
  12. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第15号(2026年6月22日)内閣総理大臣答弁(2年後の税率) 時点 / 確認
  13. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第14号(2026年6月4日)内閣総理大臣答弁(法案の提出) 時点 / 確認
  14. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第14号(2026年6月4日)内閣総理大臣答弁(税率は未定) 時点 / 確認
  15. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 参議院 財政金融委員会 第11号(2026年6月16日)財務大臣答弁 時点 / 確認
  16. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 参議院 財政金融委員会 第11号(2026年6月16日)財務大臣答弁(恒久減税ではない) 時点 / 確認
  17. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第14号(2026年6月4日)内閣府特命担当大臣答弁 時点 / 確認
  18. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第15号(2026年6月22日)質疑(国民民主党・無所属クラブ) 時点 / 確認
  19. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第15号(2026年6月22日)質疑(国民民主党・無所属クラブ・対案) 時点 / 確認
  20. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第15号(2026年6月22日)質疑(チームみらい) 時点 / 確認
  21. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第15号(2026年6月22日)質疑(中道改革連合・無所属) 時点 / 確認
  22. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 参議院 財政金融委員会 第11号(2026年6月16日)質疑(公明党) 時点 / 確認
  23. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 参議院 財政金融委員会 第11号(2026年6月16日)質疑(日本共産党) 時点 / 確認
  24. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第15号(2026年6月22日)質疑(自由民主党・無所属の会) 時点 / 確認
  25. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 参議院 財政金融委員会 第11号(2026年6月16日)質疑(れいわ新選組) 時点 / 確認
  26. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 衆議院 予算委員会 第15号(2026年6月22日)質疑(日本維新の会) 時点 / 確認
  27. 野村総合研究所分析 国民会議再開も消費税率引き下げの合意は困難(木内登英) 配信 / 確認 分析・解説