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国旗損壊処罰法とは?何が罪になり、何が変わったのか

処罰される行為の範囲を内側の枠として示し、その外側に処罰されない行為が広がることを表した抽象的な概念図

人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で、日本の国旗を公然と傷つける行為に刑罰を科す法律が、2026年8月13日に施行されました。 正式な名称は、国旗の損壊等の処罰に関する法律です。議員が提出した法律案(衆法)で、2026年7月17日に参議院本会議で可決されて成立し、7月24日に公布されました(令和8年法律第69号)。

条文は三か条と附則だけの短い法律ですが、審議では、何をすると罪になるのかという境目をめぐって議論が続きました。参議院内閣委員会には3名の参考人が招かれ、参議院本会議の採決は投票総数242のうち賛成161・反対81に分かれています。

このページでは、法律で何が定められ、何が対象から外され、何がまだ決まっていないのかを、国会の公式記録にもとづいて整理します。

国旗損壊処罰法の基本的事項

処罰の対象となる三つの要件と、対象にならないとされた電子データや創作物との関係を示した図
処罰の対象となる三つの要件と、対象にならないとされた電子データや創作物との関係を示した図

処罰の対象になる行為

法律の第二条第1項は、次の三つがそろった場合に、二年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処すると定めています。

  • 人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法によること
  • 公然と行われること
  • 国旗を損壊し、除去し、又は汚損すること

同条第2項は、その方法にあたるかどうかの判断は、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うとしています。発議者は、行為者が何を訴えようとしたかという目的は、この判断には含まれないと説明しています。

「国旗」とは何を指すのか

第一条は、この法律でいう国旗を、国旗及び国歌に関する法律(平成11年法律第127号)に定める国旗として用いられていると社会通念上認められる有体物と定義しています。

発議者は参議院内閣委員会での提案理由説明で、国旗・国歌法が定めるサイズの割合や日の丸の位置と細部まで一致していなくても、社会通念上国旗として用いられている有体物であれば、自己所有のものも含めて対象になると述べました。

「有体物」と定義されたことで、電子データ上で国旗が損壊される状況を画像として作成する行為は対象から外れています。 発議者は、これを対象にすればアニメ・漫画・ゲームといった創作物全般に検討が及び、処罰の範囲が広くなるおそれがあるため、表現の自由に配慮したと説明しました。他方で、ライブ配信の現場で実際に損壊されているのが有体物の国旗であれば、構成要件に該当し得るとも述べています。

表現の自由への留意規定

第三条は、この法律の適用にあたっては、表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならないと定めています。

発議者は、この法律は政治的意見そのものを処罰するものではないとし、仮に構成要件に該当した場合でも、刑法第35条の正当行為などにより違法性が阻却される場合はあり得ると説明しました。その判断は、社会通念上相当かどうかを、目的・態様・行われた状況・一連の経過といった事情から個別の事案ごとに行うものだとしています。

すでにある「外国国章損壊罪」との関係

刑法には、外国の国旗などを損壊する行為を罰する規定(外国国章損壊罪)があります。発議者は委員会で、この規定は明治24年の大津事件を契機として明治40年に制定されたものだと説明しました。あわせて提案理由説明では、G7で唯一、外国国旗の損壊等に関する罪の規定はあるものの、自国国旗については同様の規定がないという状況が、この法律を提出した理由のひとつだと述べています。

ただし、二つの罪は同じものではありません。発議者の説明によれば、外国国章損壊罪は我が国の外交関係の円滑と安全という国家的な法益を守るもので、外国に侮辱を加える目的が必要であり、外国政府の請求が公訴提起の要件になっています。これに対しこの法律の保護法益は国旗を大切に思う国民感情であり、自己所有かどうかや告訴の有無を問いません。法定刑は、どちらも二年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金です。

参議院内閣委員会に招かれた3名の参考人

2026年7月14日、参議院内閣委員会は3名の大学教授を参考人として招き、意見を聴きました。

  • 金沢工業大学大学院教授は、安全保障とリスクマネジメントの観点から、法案の基本的な方向性を支持すると述べました。自由をどこまで保障しどこからを許容しないかという境目を民主的な立法で決めるものだという位置づけです
  • 神戸大学大学院法学研究科教授は、最高裁の利益衡量の枠組みに即して検討したうえで、憲法第21条第1項に違反するという見解を述べました。国旗の損壊は政治的な言論にあたるのに、保護しようとする法益は抽象的で、制限の必要性を裏づける立法事実も乏しいという整理です
  • 中央大学法学部教授は、罪刑法定主義の明確性の観点などから、法令違憲であると言わざるを得ないという見解を述べました。何が処罰されるのかを条文から一般の人が前もって判断できないという整理です

3名の意見は一致しませんでした。当サイトは、この法律が合憲か違憲かについて判断を示しません。国会の場でどのような意見が述べられたかを、そのまま記します。

委員会の附帯決議

2026年7月16日、参議院内閣委員会は法律案を可決したあと、自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党の6会派共同提案による附帯決議案を多数で決定しました。全会一致ではありません。

法律案に反対した立憲民主・無所属と公明党も、この附帯決議には共同提案者として加わっています。 法律案への賛否と、附帯決議への賛否は別に扱われました。

決議は政府に対し、次の6点について適切な措置を講ずるよう求めています。

  1. 政治的意見表現や芸術表現を含む国旗の使用への萎縮効果等を生じさせないよう留意し、第二条第1項の罪の客体に該当するものと、アニメ・漫画・ゲーム・生成AIによる制作物といった該当しないものの双方を、できる限り具体的かつ明確に示すこと等を通じて、国民に対する法律の趣旨と内容の周知に努めること
  2. 「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」にあたるかどうかは客観的な事情から判断するものであって、国旗に書かれた文言などの内容によって判断するものではないことに、十分留意すること
  3. 政治的意見表現や芸術表現など正当に保障される国旗への表現やメッセージの記載は、同項の「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」に該当しないことを遵守して運用すること
  4. 全国の警察官・検察官等が政治的意見表現や芸術表現などへの無用の萎縮を招かぬよう留意しつつ適切に運用するため、施行までに趣旨と内容を周知徹底すること
  5. 附則第2項に基づく検討にあたっては、国旗を損壊等する状況に係る映像に関するインターネット等の利用の状況、損壊等された国旗を公然と陳列する行為等の発生の状況、運用状況等を適切に把握するとともに、表現の自由その他の憲法が保障する国民の自由と権利に十分配慮すること
  6. 国旗に対する感情は一人ひとりのなかで育つものであることから、国旗に対する特定の思想や感情を強制しないようにすること

決議のあと、木原稔内閣官房長官が、その趣旨を十分に尊重し関係省庁とも連携を図りつつ努力していく旨を述べました。

三年後に見直される

附則の第2項は検討条項です。施行後三年を目途として、国旗を損壊等する状況に係る映像に関するインターネット等の利用の状況、損壊され若しくは汚損された国旗を公然と陳列する行為またはこれに類する行為の発生の状況、その他の施行状況等を勘案し、国旗を大切に思う国民感情を保護するのに必要かつ十分なものとなっているかどうか等の観点から検討を加え、必要があると認められるときは所要の措置を講ずるとしています。

損壊された国旗を公然と陳列する行為は、この法律の処罰の対象には含まれていません。 参政党は委員会の討論で、共同提出した4党の協議において、自宅などで損壊した国旗を大衆の前に持ち込んで陳列する行為も対象に含めるべきだと主張し、その結果として見直し規定が盛り込まれたと述べています。

公布と施行

法律は2026年7月24日に公布され、令和8年法律第69号となりました。附則の第1項は「この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する」と定めており、公布日から数えて2026年8月13日が施行日にあたります。政府が法令データを公開しているe-Gov法令検索でも、この日から現に施行されている状態として登録されています。

示されている数値

数値は「決定したもの」「案として示されたもの」「試算」を区別して掲載しています。 位置づけの欄をあわせてご覧ください。

示されている数値
項目数値位置づけ
拘禁刑の上限 二年[3] 決定
罰金の上限 二十万円[3] 決定
見直しまでの期間 施行後三年を目途[3] 決定

国会での議論の動向

議員発議による提出から先議院と後議院それぞれの委員会と本会議での議決、公布、施行までの段階を示した流れ図
議員発議による提出から先議院と後議院それぞれの委員会と本会議での議決、公布、施行までの段階を示した流れ図
  1. 衆議院

    議員発議により提出[1][4]

    提出者は松野博一君 外16名。自由民主党・無所属の会、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党の共同提出であると、発議者が参議院内閣委員会での提案理由説明で述べています

  2. 衆議院

    内閣委員会に付託[1]

  3. 衆議院

    内閣委員会で可決[1]

  4. 衆議院

    本会議で可決[1]

    採決態様は多数、採決方法は起立。同日、参議院が受領しました

  5. 参議院

    内閣委員会に付託され、提案理由の説明を聴取[1][4]

    発議者の松野博一衆議院議員が、提出者を代表して提案理由と内容の概要を説明しました

  6. 参議院

    内閣委員会で質疑[5]

    8会派の委員が発議者と政府参考人に質疑を行いました

  7. 参議院

    内閣委員会で参考人質疑[6]

    大学教授3名が参考人として意見を述べ、委員の質疑に答えました

  8. 参議院

    内閣委員会で質疑と討論を行い、可決のうえ附帯決議を決定[7]

    質疑のあと6会派が討論を行い、多数で可決されました。あわせて、討論を行った会派とは組合せの異なる6会派(自由民主党・無所属の会、立憲民主・無所属、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会、参政党)の共同提案による附帯決議案が、多数で決定されました

  9. 参議院

    本会議で可決し、成立[2]

    押しボタン採決。投票総数242、賛成161、反対81

  10. 両院

    公布[1][8]

    令和8年法律第69号

  11. 両院

    施行[3][8]

    附則第1項の「公布の日から起算して二十日を経過した日」にあたります。e-Gov法令検索の登録も、この日から現に施行されている状態になっています

国会での説明

国会でどう説明されたかを、会議録にもとづいて要約しています。発言をそのまま引き写してはいません。

  • 松野博一発議者自由民主党・無所属の会

    参議院内閣委員会

    提出者を代表して提案理由を説明し、我が国ではG7で唯一、外国国旗の損壊等に関する罪の規定はあるものの自国国旗については同様の規定がないこと、国内でも日本国旗を損壊する事例が確認され、SNSの普及やグローバル化のなかで将来に向けて抑止する必要があることから、国旗を大切に思う国民感情を保護するための処罰規定を設けると述べた[4]

  • 平沼正二郎発議者自由民主党・無所属の会

    参議院内閣委員会

    本法案の保護法益は国旗を大切に思う国民感情であり、自己所有かどうかや被害者の告訴の有無にかかわらず処罰の対象になると説明した。あわせて、刑法の外国国章損壊罪は我が国の外交関係の円滑と安全という国家的法益を保護するもので、保護法益・構成要件・被害者の請求を前提とするかどうかの点で本法案とは異なると述べた[5]

  • 塩崎彰久発議者自由民主党・無所属の会

    参議院内閣委員会

    本法案は政治的意見そのものを処罰の対象とするものではなく、構成要件は外形的・客観的な行為の態様のみであると説明した。そのうえで、仮に構成要件に該当しても刑法第35条の正当行為などにより違法性が阻却される場合はあり得るとし、その判断は社会通念上相当かどうかを個別具体の事案ごとに、目的・態様・状況・経過を踏まえて行うものだと述べた[5]

  • 黒田征樹発議者日本維新の会

    参議院内閣委員会

    この法律でいう国旗は社会通念上国旗として用いられていると認められる有体物に限っており、電子データ上で国旗が損壊される状況を画像として作成する行為は、対象にすればアニメ・漫画・ゲームといった創作物全般に検討が及び処罰範囲が広くなるおそれがあるため、表現の自由に配慮して対象から外したと説明した。他方、ライブ配信の現場で実際に損壊しているのが有体物の国旗であれば構成要件に該当し得るとも述べた[5]

  • 木原稔国務大臣自由民主党・無所属の会

    参議院内閣委員会

    内閣官房長官として、委員会が決定した附帯決議についてその趣旨を十分に尊重し、関係省庁とも連携を図りつつ努力していくと述べた[7]

会派ごとに示された主な論点

  • 自由民主党・無所属の会

    一九〇七年から続く外国国章損壊罪との違いは何か、いま成立させなければならない理由と守るべき法益は何かを問うた[5]

  • 立憲民主・無所属

    何が処罰の対象になるのかが条文から読み取れないこと、憲法学の参考人が指摘した表現行為への萎縮効果を取り上げ、刑事法の体系や法制審議会の手続を経ていない点をただした[7]

  • 公明党

    国旗が損壊される事例が実際にどれほど起きているのかをただし、この法律をつくるだけの立法事実があるのかを問うた[5]

  • 日本共産党

    日の丸に複雑な思いを持つ人もいるとしたうえで、外国国章損壊罪との対比の説明が正確かをただし、発議者の一人が愛国心の醸成に触れた答弁を取り上げて、内心に踏み込むことにならないかを問うた[5]

  • れいわ新選組

    国旗の損壊を犯罪とすることが集団的な暴力を誘発した海外の事例を挙げ、生成AIによる偽の動画が拡散された場合に捜査が動くことの影響と、自由権規約の解釈指針との整合性を問うた[5]

  • 日本維新の会

    電子データや創作物のなかで国旗が損壊される表現が対象になるのかどうか、ライブ配信の場合はどうなるのかを具体例で確かめた[5]

  • 参政党

    自宅などで損壊した国旗を大衆の前に持ち込んで陳列する行為も処罰の対象に含めるべきだと主張し、見直し規定にその観点が盛り込まれた経緯を述べた[7]

  • 国民民主党・新緑風会

    与党から示された案にあった、損壊の様子を事後的に配信する行為への処罰が削除された経緯と、三年後の見直し規定を設けた理由を述べた[7]

賛否・論点の整理

当サイトはいずれの立場も取りません。採決の賛否は公式記録の会派別集計を、主張の内容は会議録に残された発言を、 それぞれ出典を示して並べています。議員個人の投票は 編集方針に記した理由により掲載していません(公式ページで確認できます)。

賛成の立場

  • 自由民主党・無所属の会・国民民主党・新緑風会・日本維新の会・参政党・日本保守党・各派に属しない議員の一部

    参議院内閣委員会の討論では、賛成の立場から2会派が意見を述べました。国民民主党・新緑風会は、日本の国旗は守るべきだという認識を示したうえで、懸念に対しては、共同提出者として加わって処罰の対象になる行為とならない行為を質疑のなかで具体的に示すこと、三年後の見直し規定を設けることで歯止めをかける役割を選んだと述べました。参政党は、国旗を公然と冒涜する行為までが無制限に許容される社会であってはならないとし、国旗への敬意を強制したり思想や信条を取り締まったりするものではなく、客観的な行為の態様に着目した必要最小限の制限だと述べました。共同提出者である自由民主党・無所属の会と日本維新の会、および日本保守党は、この委員会の会議録に討論の発言がありません。[7]

    会派別の賛否[2]
    会派所属賛成反対投票なし
    自由民主党・無所属の会 101 98 0 3
    国民民主党・新緑風会 25 25 0 0
    日本維新の会 19 19 0 0
    参政党 15 15 0 0
    日本保守党 2 2 0 0

反対の立場

  • 立憲民主・無所属・公明党・日本共産党・れいわ新選組・沖縄の風・社会民主党・チームみらい・無所属の会・各派に属しない議員の一部

    参議院内閣委員会の討論では、反対の立場から4会派が意見を述べました。立憲民主・無所属は、他人の国旗の損壊は既存の器物損壊罪などで処罰でき、自己所有の国旗まで対象とし国民感情を刑罰で保護する発想に危惧があるとし、参考人が指摘した違憲性と萎縮効果を挙げました。公明党は、刑罰は他の手段で守れない場合の最終手段であるべきで、提案者が示した事例はいずれも器物損壊罪で処罰できるものであり立法事実がないと述べました。日本共産党は、国旗にどのような感情を持つかは個人の自由であり、刑罰によって特定の価値観を押し付けることは内心の自由を侵害すると述べました。れいわ新選組は、刑罰による強制ではなく自発的な敬意こそ意味があるとし、子どもへの影響を挙げました。沖縄の風、社会民主党、チームみらい・無所属の会、および各派に属しない議員は、この委員会の会議録に討論の発言がありません。[7]

    会派別の賛否[2]
    会派所属賛成反対投票なし
    立憲民主・無所属 40 0 40 0
    公明党 21 0 21 0
    日本共産党 7 0 7 0
    れいわ新選組 5 0 5 0
    沖縄の風 2 0 2 0
    社会民主党 2 0 2 0
    チームみらい・無所属の会 2 0 1 1
    各派に属しない議員 6 2 3 1

まだ決まっていないこと

決まっていないことを「未定」とだけ書くのではなく、何が、どういう理由で決まっていないのかを、 公式記録で確認できた範囲で示しています。

処罰の対象になる行為とならない行為の具体的な内容周知待ち
附帯決議の一は、政府に対し、第二条第1項の罪の客体に該当するものと、アニメ・漫画・ゲーム・生成AIによる制作物といった該当しないものの双方を、できる限り具体的かつ明確に示すことなどを通じて、国民に対する法律の趣旨と内容の周知に努めるよう求めています。この周知がどのような形で行われたかは、2026年8月17日時点では確認できていません。[7]
施行後三年を目途とした検討の結果見直し規定
附則の第2項は、施行後三年を目途として、国旗を損壊等する状況に係る映像に関するインターネット等の利用の状況、損壊され若しくは汚損された国旗を公然と陳列する行為またはこれに類する行為の発生の状況、その他の施行状況等を勘案して検討を加え、必要があると認められるときは所要の措置を講ずるとしています。検討の結果はまだ出ていません。[3]
損壊された国旗を公然と陳列する行為の扱い検討中
損壊または汚損された国旗を公然と陳列する行為は、この法律の処罰の対象には含まれていません。委員会の質疑でも、発議者がその旨を説明しています。附則第2項は、そうした行為の発生の状況も勘案して検討を加えるとしており、今後の検討にゆだねられています。[3][5]
次に決まる場面
決める主体決める事項時期
政府 法律の趣旨と内容の周知[7] 附帯決議の一は国民に対する周知に努めるよう、四は警察官・検察官等への周知徹底を施行までに行うよう、それぞれ求めています
政府 附則第2項に基づく検討と、必要があると認められるときの所要の措置[3][7] 施行後三年を目途。附則は検討の主体を書いていませんが、附帯決議の五は政府に対して求めています

国旗損壊処罰法についてよくある質問

何をすると罪になるのですか?

法律の第二条第1項は、人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者を、二年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処すると定めています。同条第2項は、その方法にあたるかどうかの判断は、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うとしています。[3]

自分で買った国旗を燃やしても罪になるのですか?

発議者は参議院内閣委員会で、この法律の保護法益は国旗を大切に思う国民感情であり、自己所有の国旗かどうか、被害者の告訴があったかどうかにかかわらず処罰の対象になると説明しました。ただし、第二条第1項の「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」と「公然と」という要件を満たす必要があります。[3][5]

アニメや漫画、生成AIで作った画像は対象になりますか?

発議者は参議院内閣委員会で、この法律でいう国旗は社会通念上国旗として用いられていると認められる有体物に限られると説明し、電子データ上で国旗が損壊される状況を画像として作成する行為は対象にしていないと述べました。委員会の附帯決議も、アニメ・漫画・ゲーム・生成AIによる制作物は該当しないものとして、政府が具体的に示すよう求めています。[5][7]

政治的な抗議やデモで国旗を使うと罪になりますか?

発議者は、この法律は政治的意見そのものを処罰するものではなく、構成要件は外形的・客観的な行為の態様のみだと説明しました。そのうえで、仮に構成要件に該当しても刑法第35条の正当行為などにより違法性が阻却される場合はあり得るとし、社会通念上相当かどうかを個別の事案ごとに判断すると述べています。附帯決議の三は、正当に保障される国旗への表現やメッセージの記載は同項の「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」に該当しないことを遵守して運用するよう求めています。[5][7]

いつから施行されましたか?

附則の第1項は「この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する」と定めています。公布は2026年7月24日ですので、2026年8月13日から施行されました。政府が法令データを公開しているe-Gov法令検索でも、この日から現に施行されている状態として登録されています。[3][8]

外国の国旗を壊す罪とは何が違うのですか?

発議者は、刑法の外国国章損壊罪は我が国の外交関係の円滑と安全という国家的な法益を保護するもので、外国に侮辱を加える目的が必要であり、外国政府の請求が公訴提起の要件になっていると説明しました。これに対しこの法律は、保護法益、構成要件、被害者の請求を前提とするかどうかの点で異なるとしています。法定刑は外国国章損壊罪と同じく、二年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金です。[4][5]

参議院の賛否はどう分かれたのですか?

本会議の投票総数は242で、賛成161、反対81でした。賛成は自由民主党・無所属の会、国民民主党・新緑風会、日本維新の会、参政党、日本保守党などで、反対は立憲民主・無所属、公明党、日本共産党、れいわ新選組、沖縄の風、社会民主党などでした。会派ごとの内訳は本文の表をご覧ください。[2]

成立後、見直される予定はありますか?

附則の第2項が検討条項を置いています。施行後三年を目途として、国旗を損壊等する状況に係る映像に関するインターネット等の利用の状況、損壊され若しくは汚損された国旗を公然と陳列する行為またはこれに類する行為の発生の状況、その他の施行状況等を勘案して検討を加え、必要があると認められるときは所要の措置を講ずるとしています。[3]

更新履歴

  • 初版公開。参議院の議案審議情報と議案要旨、本会議投票結果、成立法律の条文、国立国会図書館の会議録(参議院内閣委員会 第17号・第18号・第19号・第20号)、e-Gov法令検索をもとに、処罰の対象、審議経過、会派別の賛否、委員会の討論と附帯決議、まだ決まっていないことを掲載しました。

出典

事実の骨格は国会・官公庁の公式資料(一次情報)を根拠にしています。この記事の出典は、すべて国会・官公庁の公式資料です。 確認の方法は編集方針をご覧ください。

  1. 一次情報参議院議案審議情報 国旗の損壊等の処罰に関する法律案(議案審議情報・議案要旨) 時点 / 確認
  2. 一次情報参議院本会議投票結果 国旗の損壊等の処罰に関する法律案(衆議院提出)本会議投票結果 時点 / 確認
  3. 一次情報参議院法案資料 国旗の損壊等の処罰に関する法律(成立法律の条文) 時点 / 確認
  4. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 参議院 内閣委員会 第17号(2026年7月7日) 時点 / 確認
  5. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 参議院 内閣委員会 第18号(2026年7月9日) 時点 / 確認
  6. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 参議院 内閣委員会 第19号(2026年7月14日・参考人質疑) 時点 / 確認
  7. 一次情報国立国会図書館会議録 第221回国会 参議院 内閣委員会 第20号(2026年7月16日・討論と採決) 時点 / 確認
  8. 一次情報デジタル庁法令 国旗の損壊等の処罰に関する法律(令和八年法律第六十九号)条文および改正沿革 時点 / 確認